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【英一郎より5つの贈り物、夏 ③気がついてしまったこと】

プロモーションスタッフ藍の書く 6月末までの短期連載コラム

【英一郎より5つの贈り物、夏 ③気がついてしまったこと】

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『あれ…こんなところに朝顔なんて咲いていたっけ?』
いくつか並んだ植木鉢。よく見かける、茶色の鉢植えに、緑の細長いプラスチックの支柱。

 

毎日通る道。いつもと同じ景色。…だと、思っていたんだけど。

 

鉢植えに水やりをしていた人がふ、と顔を上げる。黒くて肩まであるまっすぐのきれいな髪。くるぶしまである白いスカートがふわりと揺れる。右手にはプラスチックのジョウロ。左手で黒髪を耳にかけながら。

 

彼女が顔を上げる。目が合う。
少し不思議そうな顔でこちらを見つめている。

 

水をやりたてみたいな、水分を含んだきれいな瞳。

 

ああ、どうして今まで気が付かなかったんだろう。
彼女は本当にいつもここにいたのだろうか?

 

でも、目の前に咲く朝顔が、その証明だ。
だってあんなに手入れされて、美しく、瑞々しく咲いているのだから。

 


 

ここに来なければ、目の前で見なければ、気づこうとしなければ、きっと一生気が付かなかったことが、私にはたくさんある。

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例えば、【英一郎より5つの贈り物、夏②アーティストとしての進化】でも書いた、アーティストが、自分と同じ人間であるということ。

 

それから、人間だった英一郎さんのそれこそ”人間的”な部分(例えば、弱さだったり、辛さだったり)を支える人たちが周囲にたくさんいるということ。

 

先日工房を訪ねたとき。入った瞬間の空気で、「あ、ここなんだな。」と感じた。
一緒に作業をする空気。当たり前に傍にいる人たち。

 

私が最近、初めて見た顔の英一郎さんをきっとずっと見ている人たちがいて、だから、出来るのが、あれらの作品。そして、新作の「朝顔」。

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ちょっと抽象的な話だけど、間違いないこと。

 

私たちは、無意識のうちに自分の見たいものしか見ないようにして生きているのだと思う。

 

知らなくても生きていけることがほとんどなのかもしれないし、気が付いてしまったばかりに苦しむこともたくさんあるけど、やっぱり気が付いてよかったなあと思うことがあるわけで。

 

英一郎さんのそばにいることで、少女の藍が見ていた夢は少し壊れたけど、その代わり胸に深く染み渡る感情が生まれたから、OKかなって。

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これを読んでいる人には、そんな話を知りたい人と知りたくない人がいて当然だと思うけれど、どちらに傾くかはお任せしたいと思っています。

 

私は、私の感じた楽しくて愛しい世界を、皆さんに受け取ってもらえたらなと思っています。

 


 

「どうかされましたか?」

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あまりに長くその場に立ち止まっていたから、不思議だったんだろう。話しかけられてしまった。

 

「ああ…いえ、あの。ここに朝顔なんて咲いていたかなって。」

 

一瞬止まった後、ああ、と納得した様子で彼女がふわりと笑う。…不意打ちで、ドキッとする。

「今年初めて咲いたのが、今朝だったから。気がついてくださったんですね。どうも、ありがとう。」

 

気が付かなかったら、一生後悔していたかもしれない。

…いや、そもそもその言い方はおかしいか。知らなければ、後悔のしようもないんだから。

 

「…あの。突然でおかしく思われるかもしれませんが、あなたの名前を聞いても…いいですか。あと、その朝顔の種類も。」

 

驚いた顔で彼女が見つめる。少しの沈黙の後、小さめの口が言葉を発するために、開こうとしている。

 

ーーああ、本当に、気が付いて良かった。
いま、そう思う。

 


藍が気が付いたこと。

人も作品も、死ぬまで進化しつづけること。

だから、格好悪いところも格好いいところも含めて、愛おしくて魅力的なこと。

今回のお箸置きも、進化の途中。

ああ、愛しいな。いろんな人に、手に取ってほしい。

 

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進化のリアルを、身近に。


 

英一郎製磁「父へ贈る」期間限定ショップオープン

【日時】2016年6月8日(水)~2016年6月21日(火)

10:00〜21:00

※最終日は午後8時に終了致します。

【場所】博多マルイ1Fイベントスペース

【住所】福岡県福岡市博多区博多駅中央街9-1

【TEL】092-415-0101

 

 

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